
ねぇ大手に就職したんだけど、周りの先輩がよくSAPがどうとかこうとかって話してるのがよく聞こえてくるんだよね。
キックオフ資料でもよく登場するんだけど、SAPってなんなの?

おお、大手に就職したんだね!おめでとう🎉
SAP(エスエーピー) は、ドイツのSAP社が開発した ERP(Enterprise Resource Planning)システム だよ。要するに、会社のいろんな業務(会計、販売、在庫管理、生産管理、人事管理など)を 一つのシステム で管理するソフトウェアのことで・・・

んにゃ~、カタカナとか英語とか並べられると思考停止する~
itsukaママ!やさしく教えて~
こんにちは!SAPエンジニアママの itsuka です。
目の前の仕事に追われ後輩ちゃんにSAPのことを十分に教えてあげられなかった会社員時代の後悔から、当ブログでは私が15年間のSAP運用で得た知識を発信しています。
これからSAPに携わる方、もう何年も携わっているのに未だによくわからない方、SAPからしばらく離れたけど復習して復帰したい方のお役に立てればこの上なく幸せです。
本記事では、SAPとはなんだ?という基本の「き」についてお話ししたいと思います。
SAPとは? – 基本の解説
SAPはERPシステムの代表格
SAPとは、ドイツの企業SAP社が開発したERP(Enterprise Resource Planning)システムのことです。 ERPとは業務基幹システムとも呼ばれ、企業のさまざまな業務(調達・販売・在庫・会計・人事など)を一元管理するシステムのことです。
企業が成長するにつれて、各部署ごとに管理するデータが増え、情報が分散しがちになりますが、SAPはこうしたデータを統合し一元的に管理することで、業務の効率化と精度向上を実現します。
SAPが大企業で導入される理由
SAPは世界180ヵ国以上の企業で導入されており、特にグローバル企業や大企業での採用が多いです。その理由を見ていきましょう。
1. 業務の一元管理が可能
会計、販売、購買、在庫、人事など、企業の重要な業務を一つのシステムで管理できます。
これにより、データの整合性が向上し、業務効率がアップします。
SAPの一部の機能のみ(会計のみ、人事のみなど)を使っている会社もありますが、様々な機能を全て1つのSAPで管理することで、より業務の効率化と精度向上を実現させやすいと言われています。
2. グローバル対応に強い
SAPは多言語・多通貨・多国籍の法規制に対応しているため、海外展開している企業にとっては非常に便利なシステムです。
実際に私はアジア圏の会社で使われているSAPの運用をしていましたが、多言語・多通貨への対応はちょっとした設定で可能ですし、法律が変わるとそれに合わせてSAPが設定方法を公開したり、機能テンプレートを提供してくれたりするので便利でした。
法規制への対応は国によっては短納期だったりして色々と難しい部分もありますが、最悪はABAPという言語を使ってSAP内でプログラミングをすれば大概のことは実現可能でした。
3. カスタマイズ性が高い
企業ごとに異なる業務プロセスに対応できるよう、SAPでは柔軟なカスタマイズが可能です。
カスタマイズとは、簡単に言うとシステム設定のことです。
SAPはパッケージソフトなので、設定次第でいろいろな使い方ができるようになっています。
ただ、このカスタマイズが本当にたくさんあって、習得するのに大変苦労しました。15年やっていてもまだすべてを知り尽くしていないくらい奥が深いシステムです。
今ではネット検索をすれば動画も含めて大概のことは出てきますが、私が新人のころは英語で検索をかけて数件ヒットするかしないかのレベルだったので、先輩に聞いたりトライアンドエラーを重ねながらどこを弄れば何ができるか学んでいったという感じです。
SAP導入のデメリット
メリットが多いSAPですが、導入にはいくつかの障壁もあります。
1. 導入コストが高い
SAPの導入には数千万円〜数億円のコストがかかることもあり、中小企業にはハードルが高い場合があります。
また一度導入すると、サーバ代や保守費は言わずもがなですが、サポート切れによるバージョンアップなどが避けられず、維持費がかなり必要です。
家を建てた後も固定資産税やメンテナンスなどの維持コストがかかるのと同じですね。
2. 運用には専門知識が必要
SAPは非常に高機能ですが、カスタマイズや保守開発が複雑なため、SAPエンジニアなどの専門人材が必要になります。
SAP内のプログラムはABAPと呼ばれる専用の言語が用いられているため、複雑なカスタマイズスキルと合わせてABAP言語のスキルも必要です。そのような人材を一から育てるのは大変なので部分的に外注化する会社もありますが、SAPエンジニアは不足していて取り合いになっているのが現状です。
まとめ
SAPは、大企業の業務を統合管理するERPシステムであり、グローバル展開や業務効率化に欠かせない存在です。その分、導入コストが高く、専門知識が必要になるため、SAPエンジニアの需要も高まっています。
「SAPについてもっと学びたい!」という方は、今後のブログ記事でも詳しく解説していくので、ぜひブックマークをお願いします!
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